16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

半ば強引にベッドに入れられ、私は唇を尖らせる。

なんでお兄ちゃんスイッチ入っちゃうかなぁ……。

今私、きっと妹の由羽ちゃんみたいな扱い受けてる、絶対。

そんなことを思い名良橋君を睨んでいると、名良橋君は呆れたように息を吐いた。



「また余計なこと考えてるだろ」

「余計じゃないよ、すっごい重要だよ」

「お前、熱出たらすっげぇ子供っぽくなるのな」



さっきは仙人って言ったくせに、と顔を背けると、名良橋君はまた小さく笑ったんだ。



それからのことはあまり覚えていない。

名良橋君が晩御飯を作っておくというので、頷いたような気がする。

それから、キッチンから包丁の規則的な音が聞こえてきて。

何でも出来るなんて悔しいなぁ、なんて思いながら私の意識は夢の中へ落ちた。