16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

名良橋君って、全然クールじゃない。

初めの無愛想な印象なんて、とっくに剥がれてる。

今はもう、無愛想の“ぶ”の文字もないじゃんね。



「何いきなり、真顔で言うと思ったら!」

「え、なんか奇跡っぽくね?」

「あんたは小学生か!」

「じゃあ早坂は仙人だな」



こんな言い争いも、幸せだと思える。

こんな言い争いが、ずっと続けばいいと思う。

だけど私が抱えているのは、変えようのない運命で。



「早坂?」

「……ん?」

「なんでいきなり泣きそうな顔してんだよ」

「……してないよ」



ごめんね名良橋君。

私やっぱり、キミに嘘を吐くことしか出来ないや。



「……その目で言われてもなぁ」

「……泣いてないもん」

「あー、はいはい、わかったわかった。つーか寝ろ。忘れてたけど病人だろ」