16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

「そんなこと言っていいわけ?俺だって男なんだけど」



言葉の意味を理解してしまい、顔が紅潮していくのがわかる。

そう言うつもりじゃ、としどろもどろになって弁解しようとしていると、名良橋君が堪えかねたように吹き出した。

……これはあれか、からかわれたのか。



「嘘嘘、じょーだん。助かるよ、“おにーちゃんはすきだけど、おままごとできないからいや!”とか言うんだもん、参ってて。きっと喜ぶと思う」



からかわれたとわかっても怒れない。

名良橋君の笑顔を見れたら、簡単に許してしまうんだ。



「てか、早坂の下の名前って由仁だったよな?」

「うん?そうだけど」

「じゃあ俺等兄妹みたいじゃね?俺等由貴だし、早坂は由仁だし、妹も由羽ってんだ」