16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

名良橋君に触れられた部分が、熱を帯びてる。

なんで私、こんなにドキドキしてるんだろう。

なんで――高野君に抱き締められたときとは比べもなにならないくらい、切なくなるんだろう――……。





名良橋君は、戻って来るなりキッチンへ直行した。

その手には、近くのスーパーの袋。



「ごめんね、わざわざ……」

「俺がしたくてしてんだから、謝るな」



もう、一々嬉しいこと言わないでよ……。

胸がぎゅうっと締め付けられ、私は目を閉じた。

何、この甘ったるい動悸。

こんなの、初めてだよ。

病気の所為じゃない、だって苦しいけど幸せだと思えるもん。

だけどそれを何かと問われたら、きっと私は答えることが出来ない。

これは一体、何。