16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

再び下ろされたところはベッドの上だった。

そして部屋を見渡し、気付く。

明らかにこれ、一人暮らしの部屋だ!

流石に誤魔化しようがないので、必死に言い訳する嘘を探す。

案の定、名良橋君はそれを指摘した。



「……ここに家族で?」

「……違う」

「まさか1人?門限厳しい親は?」



真っ直ぐに名良橋君を見れない。

私は目を逸らしながら、思いついた嘘を重ねた。



「今は、別々」

「今は……?」

「ほんとは海外にいるの、うちの親。で、夏に戻ってくる」



苦しい言い訳だ。

そもそもなんだ、海外って。

そんな出任せをいけしゃあしゃあと、よくもまあ。



「……じゃあ今は一人暮らし?」