そして。
「きゃあっ!」
あろうことか、名良橋君は私を軽々と抱き上げた。
それも、前にお姫様がつく抱き方で。
「ちょ、やだ下ろして恥ずかしい!」
「うるせ。足取りが酔っ払いみたいになってんの知ってんだぞ」
「でもっ」
「これ以上騒いだら口塞ぐぞ、口で」
いきなりとんでもないことを言われ、私の思考は停止する。
その間に、名良橋君はアパートを目指して歩く。
漸く下ろされたのは、玄関の中だった。
「今更だけど俺、入っていいのか」
「何言ってんの、今更」
クスクスと笑った私を、名良橋君は再び抱き上げた。
逆らっても意味がないことをもう知っているので、何も言わない。
「きゃあっ!」
あろうことか、名良橋君は私を軽々と抱き上げた。
それも、前にお姫様がつく抱き方で。
「ちょ、やだ下ろして恥ずかしい!」
「うるせ。足取りが酔っ払いみたいになってんの知ってんだぞ」
「でもっ」
「これ以上騒いだら口塞ぐぞ、口で」
いきなりとんでもないことを言われ、私の思考は停止する。
その間に、名良橋君はアパートを目指して歩く。
漸く下ろされたのは、玄関の中だった。
「今更だけど俺、入っていいのか」
「何言ってんの、今更」
クスクスと笑った私を、名良橋君は再び抱き上げた。
逆らっても意味がないことをもう知っているので、何も言わない。



