16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

そんな私の顔を、名良橋君が心配そうに覗き込んだ。



「大丈夫?」

「う、うん、大丈夫!それより名良橋君、なんでここに?」

「瀬川から、早坂が熱出してるって聞いたから」



飛び出してきた、そんな非常識なことを真顔で言われ、私の熱は更に上っていく。

何それ、ほんと馬鹿。

そう思う反面、嬉しいと感じている私がいる。

小さくありがとうと呟いてから、中に名良橋君を招き入れようと鍵を取り出す。



「お前、フラフラじゃん。熱何度?」

「さんじゅ……はち?」

「なんで疑問系なんだよ。鍵貸せ、開けてやる」



私から鍵を奪い取り、スタスタとアパートへと歩いていく。

そして鍵を開けてから、名良橋君は立ち止まったままの私の元へ戻って来た。