ちらりと横目に名良橋君を見ると、顔を背けて不機嫌そうに唇を尖らせている。
もしかしてこれ、拗ねてる……?
思わず笑ってしまいそうになるのを堪え、小さく頷く。
そして頷いてから――しまった、と思った。
「待ってるって、どこで待つの?」
「んー、いつもは講堂の客席かなぁ。ほら、うちの学校って二階部分客席になってて、出入り自由じゃん?」
あぁ、やっぱりそうか。
心の中で静かに落胆する。
講堂の中で待つ、それは即ち練習を見るということで。
「んじゃあ行こう、早坂さん」
高鴫さんのその声に、私はすぐに反応することが出来なかった。
重い足取り講堂の客席に座り、講堂を見下ろすとそこに名良橋君の姿を見つけた。
もしかしてこれ、拗ねてる……?
思わず笑ってしまいそうになるのを堪え、小さく頷く。
そして頷いてから――しまった、と思った。
「待ってるって、どこで待つの?」
「んー、いつもは講堂の客席かなぁ。ほら、うちの学校って二階部分客席になってて、出入り自由じゃん?」
あぁ、やっぱりそうか。
心の中で静かに落胆する。
講堂の中で待つ、それは即ち練習を見るということで。
「んじゃあ行こう、早坂さん」
高鴫さんのその声に、私はすぐに反応することが出来なかった。
重い足取り講堂の客席に座り、講堂を見下ろすとそこに名良橋君の姿を見つけた。



