「お前さ、感じ悪ぃよ。気遣って誘ってくれてんのに、断ってさ」



名良橋君は、私が最も聞きたくなかった言葉を言った。

咎めるような、そんな声色で。



「何をそんな必死に守ろうとしてるわけ?お前がそんな態度とってることでクラスの雰囲気悪くしてること、わかんねーの?」

「……やめて」

「今日だって、何だよ。高野が何回も誘ってんのにさ。本当は病院とかも嘘なんじゃねーの――」

「やめてって言ってんじゃん!」



耳を塞ぎ、目をぎゅっと瞑る。

なんで、何も知らない名良橋君にそんなこと言われなきゃなんないの?

私は後3ヶ月したら死ぬから、皆と関わりたくないの!――そう言えたらいいのに。

そう言えたら、これ以上私の世界に踏み込んでくることもないだろうに。