16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

「え、どっか悪いの?早坂さん」

「ちょっと、……喘息の薬を貰いに」

「喘息持ってんだ?俺もなんだー。辛いよな、喘息」



言葉とは裏腹に明るく、自分を指差しながら身を乗り出す高野君に困惑しながらも、視界の端に映った名良橋君を睨み付ける。

巻き込むだけ巻き込んで、自分は寝てるってどういう神経してんのよ!

意地でも行かないから、親睦会なんて!



「ってことで、ごめんね、高野君。ついでに寄らなきゃいけないところあって」

「その後、時間空いてない?俺等多分、夜まで騒ぐから」

「……門限、厳しいから。ごめんね、ほんと」



もう一度謝ると、諦めてくれたのか高野君はそれ以上誘っては来なかった。