16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

……なんて、考えたって死ぬという事実が覆るわけじゃないんだから。

必要のない思いを振り切るように、私はまたボールを構えてリングを狙った。





結局、次の授業をサボった私が教室に戻ると、みんなに向ける明るい笑顔を変わらず私に向けてくれた高野君。

うわ、眩し……。



「早坂さん!親睦会、今週の土曜に駅前のファミレスに決まったら!」

「……その日、私用事ある」



これはほんと。

症状によって薬の量を変えるので、週に一回は必ず病院に行かなければならない。

いつもは嫌な通院も、この場を乗り切るための言い訳となるならこれ以上ないくらい有り難い。



「あ、もしかしてデート?」

「……病院」