16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

「由貴に“ゆにおねーちゃん”って?って聞いたら、前に言ってたクラスメートだって照れながら教えてくれたわ」



私の知らないところで名良橋君が私のことを思い出してくれていた。

それだけで何だか、幸せな気持ちになれるよ。

恋って、愛しかったり切なかったり忙しいけど、幸せだね。



「聞いたら、ご飯ご馳走になったって聞いて。お礼もせずに、ごめんなさいね」

「い、いえ!一人暮らしなので、一緒に食べてくれる人がいて私も楽しかったです!」

「そうなの?困ったこととかあったら、何でも言って頂戴ね」

「ありがとうございます」



お母さんは腕時計を見てから席を立った。



「ごめんなさい、今日朝イチで会議があって。そろそろ行かなきゃ間に合わないわ」