それが空元気だとバレないように。



『多い分は貴方の使いたいように使いなさい。私達はそれ以外何も出来ないんだから』

「そんなこと……っ」

『残りの時間、精一杯生きるって決めたんでしょ。あのときこそ反対したけど、今はちゃんと応援してるから』



お母さんの言葉は、温かかった。

折角我慢してたのに、泣いちゃうじゃん。



「……ありがと」

『どういたしまして。私達のことは気にしないでいいからね』

「うん」

『だから、由仁は後悔しないように頑張って』

「……うん、ありがと」



ほんとは、お金のことなんて建前でしかなかったのかも。

お陰で、私の中にあった気掛かりもなくなってる。



電話を切り、私はベッドに倒れ込んだ。

そして考える。