16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

――お父さん達をそうしてしまったように。



「……まぁ、気にすることないだろうけど!っていうか、はい、ノート!取っといたよ」



やけに明るい声で渡されたのは、教科ごとのノートだった。

それを受け取り、短く礼を言う。

伊東君も瀬川さんも高鴫さんも笑ってはいたけれど、多分心の中じゃ名良橋君と高野君のことを気に掛けている。



「次自習らしいね」

「え、マジ!?超ラッキー。てかなんで?」

「なんか、田村学級問題起こったらしい」



会話に花を咲かせる3人を余所に、私は教科書を机に仕舞っていた。

そしてそのとき、ある考えが脳裏を掠める。



「……自習ならサボろっかな」



そう呟くと、高鴫さんが意外そうに私を見た。