16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

席に向かう間も、クラスメートが次々に声を掛けてくれる。

そんな皆に笑顔を返しながら、私はちらりと窓際の席の名良橋君を見やった。

だけど名良橋君はこちらを見ようとはせず、頬杖をつきながら無愛想に窓の外を見ている。

そして、高野君もまた1人でケータイをいじっていた。



「アイツ等、なんか変なんだよね。先週からずっと喋ってないの」

「え……?」

「そうそう、どうしたのか聞いても口を割らねんだよ」



会話に伊東君も混じり、遠くから2人を見つめる。

先週からってもしかして――私の所為?

指先が冷たくなっていく気がして、私は手を見つめる。

私が、2人をこんな風にしちゃった?

ここでも、私は……周りの関係を壊してしまうの?