16歳の天使~最後の瞬間まで、キミと~

だけど、嫌だよ。

名良橋君の隣に、誰か他の人がいるなんて。

名良橋君が乗るバイクの後ろに、誰か他の人が乗るなんて。

想像するだけで、苦しくて、苦しくて、胸が痛い。

名良橋君の隣に、ずっと立っていたい。

一緒に、笑い合っていたい。



――そうか。

この感情は、恋なんだ。



「……たか……く……」

「……ん?」

「……死ぬってわかってても……好きでいることは、赦される……?」



そう問いかけると、私を抱き締める腕に力が込められた。

そして、耳元で掠れた声が響く。



「赦されないことなんてない。恋なんて、自由じゃん」

「……そっか、そうだね……」



高野君の言葉に、心にのし掛かっていた何かが一気に軽くなった。