私達以外誰もいない屋上にあるベンチに腰掛けた高野君は、私にその隣に座るよう促した。
断る理由もないので、言われるままに腰掛けてプルタブを開ける。
「……大丈夫」
半ば自棄になって飲み込んだ冷たいミルクティーが、何だか切ない。
『……梨央』
ついさっき聞いたばかりの名良橋君の声が耳にこだまし、目をぎゅっと瞑ると。
「早坂さん」
と、隣から名前を呼ばれて。
笑顔を取り繕い、顔を上げた刹那――いつかと同じぬくもりに包まれていた。
「高野、君……?」
「……無理しなくていいから。泣きたいなら、泣けばいい」
高野君は、全てを知っているかのようにそう言った。
私でも理解出来ていない、名良橋君への想い。
断る理由もないので、言われるままに腰掛けてプルタブを開ける。
「……大丈夫」
半ば自棄になって飲み込んだ冷たいミルクティーが、何だか切ない。
『……梨央』
ついさっき聞いたばかりの名良橋君の声が耳にこだまし、目をぎゅっと瞑ると。
「早坂さん」
と、隣から名前を呼ばれて。
笑顔を取り繕い、顔を上げた刹那――いつかと同じぬくもりに包まれていた。
「高野、君……?」
「……無理しなくていいから。泣きたいなら、泣けばいい」
高野君は、全てを知っているかのようにそう言った。
私でも理解出来ていない、名良橋君への想い。



