いつもは、もうひとつ前の電車に乗れるのに、今日は間に合わなかった。 キーンコーンカーンコーン…… ガラァッ── チャイムと同時に、教室に着いた。 「おはよー!今日も一段と遅いわね……」 この子は、私友達播磨華菜(はりまかな)。 私の、高校で一番最初にできた。 「おはよ……走ったから疲れた」 はぁっ。 「ほんとに……「席つけよー」 華菜の言葉を遮り、先生が、教室に入ってきた。 「まぁ、あとでね」 そう言って、席に着いた。