あの日、きみとぼくは不思議な体験をした。


それはきっと、誰に話しても信じてもらえない、きみとぼくのふたりだけが知っていること。

今となっては笑い話だけど、あの時は本当に焦ったよな。


おぼえているかい?


さして親しくもなかったぼく達が、はじめて放課後に待ち合わせをした日を。


視聴覚室で話し合った日を。


嫌々カレカノになった日を。



まだ残暑が強い、ふたりの見た夢を――。