『これを読んでいるということはもう私はここにはいないのだろう。
一番慕ってくれた君に、もう会えなくなるのは残念だ。だが、君には生きていてほしい。
寄生虫に寄生されたくなければ、絶対に性行為はしてはいけない。そして寄生した人間には近づくな。
そしてまずそとに出てはいけない。あの寄生虫はとても恐ろしい。
食料を買いだめ、私が残しておいた寄生虫を出来る限り増殖させてくれ。
あの寄生虫が唯一の希望、救いだ。
あの寄生虫は、体内の中に侵入すると、もともと寄生してある蟲にたいして反応するとその寄生虫を喰い尽くす。
人体に影響は及ぼさない。体内の中に入れば増殖や卵は生まない。あの寄生虫は突然変異でできた。たった1匹で体内の中にいる膨大な寄生虫を喰い尽くす。だが、100匹目を喰い尽くすと死んでしまう。
この寄生虫のエサは人体を喰い尽くす人喰い蟲だからな。寄生虫を喰い尽くす、救世虫は死なせたくはない。
私の体内のなかでこの寄生虫は悪い寄生虫をやっつけた。だが、この寄生虫が死ねば希望はなくなる。
だから私は死を選び、自分の体内からこの寄生虫を取り出した。
この寄生虫は、体内以外の酸素のない密封状態なら増殖することができる。君はなんとしても生き残り、この地球を救ってくれ。
薄井秀人』

