何も知らない杏奈は、暗い地下で途方に暮れていた。 微かに、体が震えている。 ここは、小さい頃から教育ママだった母親に、お仕置きとしてよく閉じ込められていた場所だったからだ。 窓の無い部屋には、入ってくる明かりが一切無い。 音も聞こえてこない。 「パ…パパー!パパー!!ご飯!ご飯まだかなー!」 声を出していないと気が狂ってしまいそうだった。