うしろの正面だーあれ vol.2



何も知らない杏奈は、暗い地下で途方に暮れていた。


微かに、体が震えている。


ここは、小さい頃から教育ママだった母親に、お仕置きとしてよく閉じ込められていた場所だったからだ。


窓の無い部屋には、入ってくる明かりが一切無い。


音も聞こえてこない。


「パ…パパー!パパー!!ご飯!ご飯まだかなー!」


声を出していないと気が狂ってしまいそうだった。