「…僕だったら一生監禁して人目に触れないようにするか殺すね。」


一喜の返答に、佐古は意外だとでもいうように目を丸くさせた。


「一人娘だぞ?」


「あの男は娘を愛してない。」


キッパリそう言う一喜を、佐古はじっと見つめた。


「何故?」


佐古からの視線を受け、一喜は逃げるように視線を逸らした。


遠くを見つめる。


「…愛されていたら、あんな人間には育たないはずだ。」 


夕陽に染まる一喜の横顔は、どこか寂しげにも見えた。