僕達兄弟が叔父叔母の家に来たその日から、僕は仮面を被るようになった。 愛想の悪い憂が、唯一僕らを育ててくれる叔父叔母に捨てられないように、僕は精一杯良い子を演じた。 必死で勉強し いつも笑顔を絶やさず 誰からも好かれるように。 「親がいないから」とは、絶対に言われたくなかった。 その言葉を、憂には絶対に聞かせたくなかった。 憂を守れるのは僕だけだ。君には荷が重すぎる。 憂を守るのは僕だけだ。君は小さすぎる。 憂を守るのは、僕だ。君じゃない。 君じゃないんだよ、沙良。