懐かしい風景が一喜を包む。

しかしその顔に、哀愁は無かった。


「沙良‥」

ニヤリ、不気味な笑みがこぼれる。

「愛してる‥愛してるよ沙良‥」

目を閉じ、沙良と過ごした時を反芻する。


「…沙良がいけないんだよ。僕の元から離れるから。
僕と一緒にいれば、こんな面倒なことにはならなかった。
…悪い子にはお仕置きが必要だな。」

クックックッ、溢れた笑みは冷たい音色を奏でた。