「沙良…。」

「…何言ってんだ?薄気味悪いこと言うな。俺は佐古だ。」

「さこ…?」

もう一度顔を上げると、そこに映ったのは白いスーツに趣味の悪い柄シャツ、粋な帽子を被ったヒゲ面の男だった。

「復讐。したくないか?
お前をブタ箱に放り込んだ奴をよぉ。」

てんとう虫が、墓石を歩く。

サヤサヤサヤ…流れる風が耳元で鳴く。

「…おい?聞いてんのか!?」

ギンッ…、一喜の瞳に猛獣が宿る。

「…聞いてるよ。うるさいなぁ。」

ゾクリ、急変した一喜に、鳥肌が佐古の全身を襲う。

「復讐!?素晴らしい響きだね!!」

アハハハハ、彼の狂った笑い声が止むことは無かった。