「お、おぉ……ありがとう。じゃあ、遠慮なく……」 霞が奢ってくれるなんて、めずらしい……。 なんてちょっと躊躇しながら、ジュースを手に取る。 「……って、なに!?」 「なに!?じゃないっ!」 あたしが飲むはずのジュースが、霞の手にある。 あたしの目の前で、ピーチジュースがプラプラと揺れる。 く、くれないの!? 「ジュースあげる代わりに、話しなさいよ?」 霞の瞳が鋭く光る。 「な、なにをかな!?」 あたしは動揺しながら、知らないフリ。 そんなあたしの頭に浮かぶのは、数日前のこと……。