「あ、暑いぃ~……」
あたしは手でうちわを作って、パタパタと扇ぐ。
……もちろん大して風はこない。
篤樹とケーキを食べに行った日から、数日が経った。
なんだか急に夏らしくなってきて、すごく暑い。
「はい、これ飲みな!」
あたしの机に、ドンッと紙パックのジュースが置かれる。
「霞!このジュース、どうしたの!?」
あたしは身体を起こして、霞を見上げる。
……いつものように、片頬をくっつけて机に突っ伏してたからね。
「どうしたの、って……あたしの奢り」
霞はそう言って、あたしの前の席に座る。
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