あたしはスーパーの方向へ足を向ける。
グイッ。
「えっ……!?」
突然……腕を強く引っ張られて。
ふらついたあたしは、そのまま篤樹の腕の中に飛び込んでしまった。
すると、篤樹が両手をあたしの身体に回してギュッと力を入れる。
……だ、抱き締められてる!?
あたしは慌てて篤樹の胸を押し返すけど、なおさら抱き締める力が強くなるだけ。
「その笑った顔……」
は?
離してもらうことを諦めたあたしに、篤樹がボソボソと話しだした。
「……他の男に見せないでよ」
他の男?
見せないで?
「なに……言ってんの」
てか、それ以前にあたし笑ったっけ?
いつもの無愛想な表情じゃなかったの……?
無意識に笑ってた……?



