「えっ!知紗ちゃんが晩飯作ってんの?」
篤樹が目を丸くして言う。
そんなに驚くかな?
そう思いながらコクンと頷く。
「お母さんの帰りが遅いときだけ……っ!」
あたしはハッとして、手で口元を覆った。
な、なにペラペラ話してんの。
今日だって、キスされたのにのこのこケーキ屋さんまでついていっちゃうし……。
笑顔を向けられただけで動揺するし……なんかあたし、おかしくなったかも。
「じゃあ、急いで帰んねぇとな」
あたしの変な行動を気にすることなく、そう言って微笑む篤樹。
「うん、じゃあ……今日はありがとう。ごちそうさまでした」



