うわあぁぁあ、もう!
しつこいなーっ!
なんか、バカにされてるみたいだし!
あたしだって呼び捨てくらい出来るよ。
普段、『千尋』とか呼んでるし……。
「あ、あつ……篤、樹」
なんとか言ってみたものの、噛みすぎてて恥ずかしい。
こんなことなら止めておけばよかった……。
「知紗ちゃん、可愛過ぎる……真っ赤だよ?」
あ、篤樹……にはさっきみたいな意地悪そうな笑みはなくて、なんだか優しい顔をしている。
「……う、うるさいっ!呼んだから文句ないでしょ!」
熱い顔を隠すように下を向いて、ケーキをいじる。
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