生徒会長さんが、あっという間に引っ張られていく。 南さん、強い……。 さすが霞のお姉さんって感じだ……。 「今度はゆっくり話そうね!」 そう聞こえ、歩きだした足を止めて声のした方を見ると、3年生の下駄箱から、生徒会長さんが手を振っている。 「…………」 手を振り返すのもどうかと思って、あたしはペコッと軽く頭を下げた。 先輩だしね。 霞達の幼なじみとはいえ、男の人とあんまり親しくするのもイヤだし。 それから校門まで行くと、いつものように坂を下る。