「ど、どうしよう……嬉しいなんて思ったら、不謹慎かな」 知紗の顔が見たくて体を離すと、そこには照れたように頬を緩める知紗がいた。 「……嬉しいのか?」 「うん……なんか、あ、愛されてるって実感するっていうか……」 自分で愛されてる、って言いながら照れている知紗。 ほんと、可愛い。 「もっと篤樹にヤキモチ妬いてほしいかも……」 ポツリとつぶやいたその声は、こんな静かな場所だから、もちろん聞こえたわけで。 俺は知紗の頭を軽く小突いた。