……ごめん。 やっぱり我慢なんか出来ねぇ。 周りに誰もいないことをいいことに、知紗の華奢な体をそっと抱き寄せた。 「あ、あの、篤樹……?」 「俺が悪いんだ」 きっと知紗は、さっき俺が不機嫌になったのを自分のせいだと思ってるんだろう。 「先輩……俺以外の男が知紗のことを可愛いなんて言ったから……妬いたんだ」 「へ……?」 俺の腕の中でピクッと肩を上げた知紗。 「篤樹がヤキモチ、妬いてくれたの?」 小さな声だけど、確実に聞こえたその言葉。