男子校は甘いワナだらけ!?～俺様なアイツとキケンな恋～

夕方の電車内は、会社帰りのサラリーマンや買い物袋を抱える女性など、意外に人であふれている。



「大丈夫？」

「うん、あたしは。篤樹こそ…」


あたしは篤樹の顔を見るために、顔を上げる。


あたしはドアに背中がついているくらい端っこにいて、

篤樹は片手をドアに、もう片方を手すりに置いて、あたしの前に立っている。



「俺は平気だから」


あたしの両脇に篤樹の手があってまるで、守られてるみたい。



「そ、そっか…」


そんなことを考えたら、なんだか恥ずかしくなって俯いた。