「───……あ、もしかして……知紗ちゃん?」 海の家から出た時、ちょうどゴミ箱付近で誰かに名前を呼ばれた。 「え……はい。そうですけど…」 話し掛けてきたその人はゴミ袋をまとめながら、あたしをじっと見つめてきた。 「湊斗が言う通り可愛い子ー…マジで綺麗な茶髪なんだね」 「は、はい?」 だから誰ですか!? まぁ、ゴミ袋をまとめているとこから見ると、バイトの人だよね。 「あぁ、ごめんね急に。俺、椿山雅斗です」 椿山、雅斗…… 「あぁっ!湊斗先輩のお兄さんですか!」