「なーに、こそこそやってんだよ!」 どこか聞き覚えのあるセリフと共に、誰かが近付いてきた。 「……は?」 「えっ……あ、朔!?明里も!」 今来たばかりなのか、大きな荷物を持った朔と明里だった。 「ここだって意外に見られてんだぞ?」 にっと意地悪そうな笑みを見せる朔。 ………て、キス見られた!? また顔に熱が集中するのが分かった。 「知紗っ!よかったね?」 「明里!……って、何がよかったね、なの?」 ポカーンとするあたしに、明里は少しため息をついて 篤樹と朔から離れたところへ移動した。