「俺が奢りたいから。知紗に言ってなかったけど俺バイトしてんだからな」 へっ……? 奢りたいって……篤樹が? 「でも悪いよ!かき氷も買っちゃったし…」 篤樹に奢ってもらうんだったら、かき氷なんて買わないよ! むしろ何もいらないって言うよ! あたしがまた千円札を手に取ると篤樹はその手をやんわり掴んで。 「彼氏が奢るのは当たり前だろ。知紗は黙って奢られてろよ」 すごく優しげな、カッコいい笑みを浮かべるから あたしは素直に頷いてしまった。