「いや、ちょっと謝りたくて…」 初めて見る春佳ちゃんのシュンとした姿。 謝りたくて、って誰に? 「秦野さん、嫌がらせしてごめんね?」 「──…へ?」 あたしに謝ってるのか…! 「あたしホントは篤樹じゃなくて龍磨のことが好きだって気付いたんだ」 少し照れたように俯いた、春佳ちゃん。 春佳ちゃんが俯いたのをいいことに霞がコソッと耳打ちしてきた。 「龍磨って誰?」 「桐山の平塚くん」 「あぁサッカー部の!」 そんな会話は全く聞こえてないらしい春佳ちゃんが、また口を開いた。