「いや?全然悪くねーよ。ただ」 言葉を切った篤樹が気になって、顔を上げた。 「嬉しくて顔が緩むんだけど。どうしてくれんの」 そこには、優しい笑みを浮かべた篤樹がいた。 ……てか、どうしてくれんの、って言われても。 「そ、そんなの知らないっ!」 あたしはいたたまれなくなって、キッチンへ向かった。 ………一応、「適当にテレビでも見てて!」と言ってはきた。 「お母さん!あたし何か手伝うよ!」 「うわっビックリした……」 野菜を切っていたお母さんが、あからさまにビクッと肩を上げた。