「む、ムリです!あたしに接客なんて……!」 あたしはそう言ってうつむいた。 愛想が悪くて、ろくな笑顔出来ないあたしが接客? 「お願い!莉果ちゃんがバイトに来れなくなったの。他に若い子は知紗ちゃんしかいないから……!」 そう言いながらパンッと両手を合わせる矢田さん。 いつも接客をしているバイトの莉果ちゃんが来れないから、あたしに頼んでるのか。 ……矢田さんが困ってるなら。 あたしはうつむいていた顔を勢いよく上げた。