7月中旬。

暑さが厳しい季節でありながら、

夏休みがもうすぐだと言う喜びもある季節。


そんなある日───…




「あれ?校門に誰かいるよ?」


下駄箱から校門へ向かって歩いていると、

隣を歩く霞がすっとんきょう声を上げた。



「へ?誰か……?」


霞みたいによくない目を凝らして見てみると……確かに誰かいる。


あれは桐山の生徒?

校門を通る百合丘の子達みんながその人をチラチラ見てるもん。



「あ、あれは……」

「え゙っ!?」


校門へ近付いた瞬間、

霞のゆったりした声とあたしの奇声が発されたのは同時だった。