───…え……? そうあたしを呼ぶ声は誰かなんて 分かってしまう自分がいて。 それでいて彼の方へ振り向いた。 「あ、篤樹……」 「知紗ちゃん、来てたんだね」 そう言って柔らかな笑みを浮かべる篤樹に、 胸がドキッと高鳴ってしまう。 「う、うん。千尋の応援で…」 まぁ…千尋のことはちゃんと見てないけどね。 だって、思わずシャッターを切ってしまったくらい見てたのは── 篤樹の様子を窺うように見れば。 「誰を応援してた?」 バチッと目が合った。