あたしが首を傾げると、霞がズイッと近付いてくる。 「今朝の話、詳しく聞きたいな、って思って」 語尾にハートマークを付けるように喋る霞。 「……えっ……」 は、話せるわけないよ! 脅されてるし! 「知紗、なんか言い掛けたでしょ?メールが来たからうやむやになっちゃったけど」 ……まさに、そのことが話せないのに! 「ま、また今度ね!あたし、バイト行かなきゃ」 あたしは素早く肩に鞄を掛ける。