「あ……そろそろ試合始まるな」 そんな湊斗先輩の言葉にふとグラウンドを見ると、 青のユニフォームを身にまとっている選手達が散らばっていた。 「俺がいると知紗ちゃん、気まずいだろ?」 「えっ!そんなことな──…」 「てか、もう用は済んだからな」 ………へ? 「知紗ちゃんと話せたから……俺帰るな?」 「あ……は、はい。なんかすみません…」 「いーのいーの!元々見るつもりじゃなかったし」 そう言うと、ケラケラ楽しそうに笑う湊斗先輩。