「あ、篤樹…」 名前を聞いただけで動揺しちゃうあたしってどうなの? そんなことを思っていたら、湊斗先輩が口を開いた。 「知紗ちゃんの好きな人だろ?」 「──っ!」 朔にも言われたことだ… あたしって、そんなに分かりやすいの…? 「もう霞が言ってたかもしんねぇけど……知紗ちゃんが、知らないことがきっとあるから」 「……へ?」 「諦めるなよ?俺だって知紗ちゃんのこと諦めねぇから」 湊斗先輩は、そう言うと意地悪そうな笑みを浮かべた。