監督の先生から集合が掛かって、千尋は走って行った。
「暑い~…」
とりあえず木の下に出来ている日陰に入った。
ここからなら試合がよく見えるし何より日陰だし!
それにしても、試合って……いつ始まるの?
「知紗ちゃん?」
ふと名前を呼ばれて、声の主の方へ顔を向けた。
「み…湊斗先輩!?」
体育祭以来の湊斗先輩はやっぱりニコニコとした笑顔が印象的だ。
「知紗ちゃん、試合を見に来たの?」
「はい。弟が出るので」
「あぁ、千尋のお姉ちゃんが知紗ちゃんなんだ?どうりで名字が同じわけだ」
なるほど、と頷く湊斗先輩。



