『ん、他校がウチに来て試合するんだ』 千尋が言う“ウチ”とはもちろん桐山のことを差しているわけで、 あたしが桐山に行かなきゃいけない、と気付いたのは──…日曜日の朝。 「お母さん、あたし行きたくないよ~」 玄関であたしを見送るお母さんに甘えるように言ってみる。 「差し入れ持った?顧問の先生にはこれを渡すのよ!」 カサッ あたしの腕にはお菓子や飲み物が入っている袋がぶら下がってる。 ……ってか、お母さん。 完全に無視してますね……