「ありがとう、か…」 朔はそう呟いて、窓の外に目線をやった。 「──…まっ、井岡にフられたら俺が付き合ってやるよ」 ………え? 「ふっ、フられたら!?」 そんなイヤなこと言わないで! 「そっちかよ」 「そっちって?」 「いや、俺が付き合ってやるよって言ったじゃん」 「あぁ……うん」 そういえば言ったね。 でもあたしの耳には『フられた』って言葉しか入ってこなかった。