「──…で、何でさっき落ち込んでたわけ?」 帰りの車内。 今度はあたしの隣の後部座席に座った朔。 「そ、それは……」 告白の断り方を知らなかったから なんて言っていいのかな。 ──断る相手に。 違う、そうじゃない。 言う時は……今しかない。 「あたし……朔の想いに応えられない」 出てきたのはそんな言葉。 朔からの返事が無性に怖くて、目をギュッと瞑ってしまった。 「あぁー…そういうことか」 ……え? どういうこと? あたしは目を開くと、横に座る朔に視線を移した。