「い、いやっ!何でもない!」 慌てて首をブンブン振るあたしに明里は怪訝な顔をしたけど、気にしないことにした。 篤樹が好きだって自覚した今…… 朔に告白の返事をしないなんて、 朔にも明里にも失礼だ。 言わなきゃ。 ……でも、なんて? 告白を断ることをしたことがないあたしは、頭を抱えるしかない。 「知紗?頭抱えてどうしたんだよ?」 パッと顔を上げるとそこには、撮影を終えたばかりの朔がいた。